介護職員処遇改善加算計画書の記入例と申請方法

この記事は僕が介護職員処遇改善加算申請を実際に作っていた時のノートを元にした介護職員処遇改善加算の計画書の記入例です。

新しくできた特定処遇改善加算の方ではありませんのでご注意ください。

まず、「処遇改善加算 大阪市」や「江東区 処遇改善加算」などと検索して提出が必要な保険者のサイトから処遇改善加算計画書の様式をダウンロードしましょう。(介護保険課の事業者の皆様へのページにあることが多いです)

その内容を確認しながら読み進めてください。

この記事でわかること

  • 介護職員処遇改善加算計画書の記入例
  • 令和2年度処遇改善加算の申請期限変更のお知らせ(外部サイト)
  • 令和2年度処遇改善加算計画書の新様式(全国老人保健施設協会のサイト)
  • 介護職員処遇改善加算計画書の申請のコツ

処遇改善加算計画書の記入例

では早速、処遇改善加算計画書はどのように記入すればよいのかを紹介します。

もし、知りたいことが処遇改善加算実績報告書の記入例や処遇改善加算の基礎についての場合は次の詳細記事に進んでください。

また、令和2年度処遇改善加算の申請に関して急遽計画書の書式が変更されるとの発表があり提出期限も令和2年4月15日に延期されることになりました。

そして3月に新書式が発表され全国老人保健施設協会のサイトに様式及び記入例が添付されていましたので合わせて参考にしていただけたらと思います。

介護のニュースサイトJointへ

(令和2年2月5日追記しました)

全国老人保健施設協会のサイトへ

(令和2年3月9日追記)

賃金改善計画について

処遇改善金額見込み:3,500万円(前年度実績または売上予測から試算)

簡単な流れ

  • 会社で計算した数字に変更してください
  • 正確な金額は実績提出で反映します
  • 介護職員処遇改善加算算定対象月:令和2年4月~令和3年3月

見込み金額と算定対象月は会社によって異なるのでご注意ください。

また、年度ごとに申請が必要なので最終は必ず翌年3月となります。

ポイント

計画書を作る時に失敗を減らすポイントは添付書類から作ることです。

複数の市町村や都道府県に事業所を持つ法人が申請する場合は特にそうするほうが良いと思います。

売上計画なんてものは途中で変わる事がほとんどですので計画書はあくまで次の年度の計画と考えましょう。(施設が売上を上げるために頑張ったらそれで変わりますよね!)

したがって、少しぐらい金額が違っても問題ありませんのでキリの良い大凡の数字を作り計算しやすくしても大丈夫です。

必要なモノ

  • 『○○県内一覧表』の金額は『指定権者内事業所一覧表』シートの最下部の合計欄の金額と一致します
  • 『届出対象都道府県内一覧表』の金額は、『○○県内一覧表』シート最下部の合計金額と一致します
  • 『介護職員処遇改善計画書(○○年度届出用)』の『○○年度介護職員処遇加算の見込額』は『届出対象都道府県内一覧表』の合計額と一致します

ここで、わからなくなることが多いのは見込額についてではないでしょうか。

計画書には、『介護職員処遇加算の見込額』と『賃金改善所要見込額』が存在します。

計画書で一番確認されるポイントなのですが、ここで必要なのは法人(または事業所)として処遇改善加算で貰った金額よりも1円でも多く賃金改善をすることです。

賃金改善見込額算出のポイント

単純に『指定権者内事業所一覧表』の『賃金改善所要見込額』の金額を『介護職員処遇加算の見込額』+1円していけば良い。

※端数計算が面倒なら10円でも良いです。

疑問を持ちやすいポイントを説明していきます。

Question

『介護職員処遇改善加算の見込額』の出し方がわからない場合は?

ポイント

施設ごとの予想売上×処遇改善加算率(5.2%など)で計算します。

あくまで概算で大丈夫です。

Question

施設のサービスが地域密着型と総合事業がある場合の『介護職員処遇改善加算の見込額』の出し方は?

ポイント

施設ごとの予想売上×処遇改善加算の率(5.2%など)÷2

サービスで等分しちゃいましょう。

細かい計算に頭を悩ませる必要はありません。

あくまで計画なので細かい金額は来年提出する実績で結果を元に計算すれば大丈夫。

賃金改善の方法について

賃金改善の方法は賃金改善の実施期間とその方法の記載がポイントになります。

処遇改善加算は介護報酬として2か月後に入ってきますが先に賃金だけ上げるのは難しいという会社も多いはずです。

そんな時に使えるのが『賃金改善実施期間を遅らせる』という方法です。

ここでの疑問とその回答は次の通りです。

Question

介護職員処遇改善加算算定対象月は?

ポイント

○○年4月〜○○年3月

固定です。

処遇改善加算は年度ごとに新たに計画し申請が必要になるので4月〜3月が最長期間となります。

年度途中、例えば10月から加算算定を申請する場合は10月〜翌年3月が対象月となり2か月前の8月に申請をする必要があります。

Question

賃金改善実施期間は?

ポイント

○○年4月〜○○年3月
or
○○年6月〜○○年5月

6月は最も遅らせた場合です。

賃金改善の期間を5月には終わらせておかないと実績報告書作成のときにデータが間に合わなくなってしまう可能性があることにも留意してくださいね。

Question

詳細記載内容には何を書けばいいの?

ポイント

  • 正社員の介護職員及び介護職員業務を兼務する職員に対し処遇改善手当として15,000円を毎月支給します。
  • 非正規の介護職員及び介護職員業務を兼務する職員に対し処遇改善手当として時給70円*勤務時間分を別途増額して支給します。
  • 残額が発生する場合は、最終月の請求が確定次第集計し上記職員に分配します。

これはあくまで参考記載例で会社として決めた支給ルールを具体的に記入します。

求められることは誰にどのような条件で〇〇円支給するのかを記載しておくことです。

詳細記載内容に記入する条件には根拠と周知が必要になりますので処遇改善加算の支給条件を就業規則及び給与規定に定めましょう。

あわせてキャリアパスなども記載する必要があります。

キャリアパス要件について

キャリアパス要件については会社ごとに異なる部分がありますがほとんど同じです。

要件Ⅰの記入例

次の①~③全ての要件を満たす→該当

  • ① 職員の職位、職責又は職務内容等に応じた任用等の要件を定めている
  • ② 職位、職責又は職務内容等に応じた賃金体系について定めている
  • ③ 就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、すべての介護職員に周知している

要件Ⅱの記入例

次の④及び⑤の要件を満たす →該当

  • ④ 介護職員との意見交換を踏まえた資質向上のための目標
    →継続的な研修によって知識、技術、コミュニケーション能力を向上させ、施設職員全員が利用者に応じた対応をしたい。
  • ⑤ ④の実現のための具体的な取り組みの内容(該当するもの全てに○をつけること。)
  • ③就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、すべての介護職員に周知している

要件Ⅲの記入例

次の⑥及び⑦の要件を満たす。→該当

  • ⑥ 介護職員について、経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けている。
  • ⑦ ⑥に該当する具体的な仕組みの内容(該当するもの全てに○をつけること)
    ア 経験に応じて昇給する仕組み
    「勤続年数」や「経験年数」などに応じて昇給する仕組みを指す。
    イ 資格等に応じて昇給する仕組み
    「介護福祉士」や「実務者研修修了者」などの取得に応じて昇給する仕組みを指す。ただし、介護福祉士資格を有して就業する者についても昇給が図られる仕組みであることを要する。
    ウ 一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み
    「実技試験」や「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組みを指す。ただし、客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていることを要する。

要件Ⅰ及びⅢの証明として就業規則、給与規定等を添付し提出が必要です。

Question

『客観的な評価基準と昇給条件の明文化』って何?

ポイント

『客観的な評価基準と昇給条件の明文化』とは、計画書を見た保険者の担当者がその文書を見ただけで仕組みがわかることとのことです。(実際にT市の女性担当者に言われてかなり面倒なことになった経験に基づく)

『客観的な評価基準と昇給条件の明文化』は担当者によって認識が違うことがあるので注意が必要です。

職場環境等要件について

この部分は特に重要なポイントではないのでできていることに○を付けましょう。

例として、だいたいの法人ができていることをチェック項目のみ記載しておきます。

資質の向上
→研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動

労働環境・処遇の改善
→ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
→事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成による責任の所在の明確化

その他
→職員の職員による業務負担の軽減

処遇改善加算計画書の提出期限

年度初めの4月1日から算定する処遇改善加算計画書の提出期限は基本的に2月末です。(年度途中からの算定の場合は算定開始の2か月前)

ですが、保険者によっては期限を早めに設定している場合がありますので、ホームページなどで提出期限を確認しましょう。

令和2年は4月15日が提出期限に変更されていますが保険者によって異なるところもあるかもしれません。

この疑問を解決する答えは次の通りです。

Question

処遇改善加算計画書の提出期限はなぜ保険者ごとに異なるの?

ポイント

「県に提出する期限を守るため」だそうです。

そっちの都合かよ!と思いますが申請担当者としてはが困った問題ですよね。

1つの保険者の提出期限が早いせいで作業を早めに始めなければならなかったり後に変更になってしまうことも出てきます。

令和2年の特例でも保険者が勝手に変更している可能性があります。(厚労省は通知で書式や期限を勝手に変更しないように通知を出しています)

Question

提出期限にはどんなパターンがあるの?

ポイント

  • 2月末必着
  • 2月末消印有効
  • 2月○○日(例21日)

人口が少なかったり不便な地域の保険者ほど早い印象です。

介護職員処遇改善加算の申請方法

次に介護職員処遇改善加算の申請方法について紹介します。

簡単な流れ

  • 申請するまでに必要なこと
  • 申請に必要なもの
  • 処遇改善計画申請手順
  • 処遇改善加算を運用するための対応

申請するまでに必要なこと

法人として全施設まとめて計画するために次のことを予め確認しましょう。

事業所単位で提出する場合も同じです。

確認が必要なこと

  • 加算要件の確認する。
    年度ごとや改定ごとに変更があるので予め各市町村のHPを調べておきましょう。
  • 処遇改善計画書の様式と提出先及び提出期限
  • 申請時に必要なモノを調べ各部署から取り揃える(社内)
  • 処遇改善手当を支給する方法と仕組みを作り職員全体に周知する。
    →基本ルールでは、処遇改善計画書を提出する前に全職員に内容を周知しておく必要があります。

注意ポイント

重大な問題なのですが、現在はまだ各保険者で書式が統一されていません。

他の保険者の様式を使った計画書は受け付けて貰えない事がほとんどです。(基本的には再提出になる)

※令和2年新書式では厚労省から書式を改ざんしないように保険者に対する指導通知が出ています。

申請に必要なもの

例として、法人として申請するときに必要になるものを紹介します。

必要なモノ

  • 各都道府県市区町村の申請様式
  • 就業規則
  • 給与規定
  • 労働保険の支払い証明
  • 前年度介護職員給与合計額
  • 施設情報(指定番号、施設名)
  • キャリアパス(要件による)
  • 研修計画

注意ポイント

通所介護や訪問などを扱う事業者にとっては面倒ですが総合事業は同じ保険者でも市役所の担当課が違うため提出先が異なることがあります。

市役所は書類の共有などはしてくれませんのでそれぞれの提出先ごとに書類が必要になります。

前年と要件を変更した場合は就業規則などに予め定める必要が出てくる場合もあります。

その時は就業規則の変更が必要になり別途手続きをしなければなりません。(急ぎで提出する場合は再提出の連絡が来てからでも問題はありません)

処遇改善計画申請の流れ

計画書の内容は同じで良くても申請様式は保険者によって異なるので保険者指定様式での申請が必要になるところがポイントです。

したがって、同じ書式で全保険者への一括申請は不可能なんです。

不便過ぎますよね。

このことを知らずに「全部の保険者の申請は同じ書式でできるよ」というコンサルさんもいるのでご注意くださいね。

基本的には次の1〜4の手順になります。

簡単な流れ

  • 処遇改善計画の決定(特に重要)
    →社内で処遇改善手当の支給時期、支給方法、支給金額のルールを決定し施設に周知する。(文書通知でOK)
  • 処遇改善計画書作成
    →サービスを提供する各保険者ごとに必要です。
    地域密着型や総合事業なんてものが出てきたので申請先は倍以上に増えました
  • 各保険者に提出
    →一部地域は提出期限が通常より早いことがあります。
  • 補正等の対応
    →申請は取り敢えず通りますが内容の調整と再提出を求められる事があります。
    この対応が6月頃まで続くこともあります。

処遇改善加算を運用するための対応

処遇改善加算を算定するようになると様々な記録と加算受給金額の管理、職員支給金額の管理が必要になります。

主に必要になる対応は次の通りです。

管理が必要なモノ

  • 職員の所属施設、職種、在籍の把握
  • 研修計画の実施及び記録管理
  • 施設、職員個人ごとの支給金額の把握
    (実績作成時に施設、個人ごとの内訳が必要であるため支給金額把握が必要)
  • 支給に伴う社会保険料等の把握
  • 加算報酬額の管理(実績報告の時に内訳必要)
  • その他、処遇改善加算支給額を計算する時に手当に一括して含む金額の管理(社内ルール)
  • 重要事項説明書への表記
  • 利用者への周知

処遇改善加算は年度ごとにに申請が必要なので毎年計画申請と実績の報告が必要となります。

改定によって加算率や要件が変更になるのでその都度対応が必要です。

処遇改善加算実績の作り方記事はこちら→処遇改善加算実績報告書の記入例とマニュアル

処遇改善加算計画書作成のまとめ

市役所のホームページはとても不親切で処遇改善加算の計画書や実績報告書の様式を載せていても記入例を載せているところは少ないんです。

また、記入例が載っていたとしてもよくわからないんですよね。

保険者の担当者は実際に事業者側として対応したことが無い人だからこちらの考えなんてわかりません。

令和2年度の新書式と申請で厚労省は提出書類の削減と書式の簡略化したので処遇改善加算計画書の提出書類も一部削減されているものが有るはずです。

申請を出す時には各保険者のサイトを再度確認してくださいね。

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