定時退社すると、会社で評価が下がる?
まわりの目が気になる。
みんなより先に帰ると嫌味を言われてしまう。
そんな間違った環境は何も生むことはありません。
目次
定時で帰れない根本的な原因とは
働いている人は、誰もが『健康でいたい』『自分の時間を確保したい』『家族と過ごしたい』と願っているはずです。
しかし、それを実現するための価値観が日本にはまだまだ足りないのかもしれません。
上司からの評価や、お客さんの喜びのために、できないであろう仕事まで取ってきて、皆を巻き込んで難しい仕事に取り組む。
日本の会社では、それが働きがい、美徳とされ、会社で評価されています。
長時間労働や、残業代未払いなどの会社の誤魔化しがあっても我慢しなければならないのは、『そうしなければ会社で働けなくなる』という精神的な圧力があるからです。
どんな会社でも、働いている以上は生活がかかっているので家族のためにも簡単に手放すことはできません。
それはもちろん、生活に必要な収入がかかっているからです。
その状況を利用して、会社が社員に首輪をつけているような状況になってしまっています。
仕事は、自分の生活との両立が必須です。
経営者からすれば、理想は文句を言わず、ずーっと働き続けてくれる人でしょう。
本来であれば、経営者と従業員は同等の関係です。
お互いWin-Winの関係が最も理想的ではないでしょうか。
仕事は定められた労働時間内で成果を高めて取り組むものとなるべきですですが、日本の会社の多くは、今も残業ありきの考えで仕事が成り立っています。
働き方改革なるものが入ってきて、残業時間を制限したら仕事が回らなくなってしまうと考えるのは当然です。
このような状況の中で、わたし達が取り組まなければならないことは何でしょうか。
- 基本意識は定時退社の徹底
- 定時退社の手段
- 残業が生むコスト増
この3つの意識が必要になります。
基本意識は定時退社の徹底
上司が取ってきた仕事を納期に間に合わせるためには、チーム全員が3日間不眠不休で取り組む必要がある。
そんな場合どうしますか?
仕事を取ってきた上司からすれば、「会社のために」という気持ちなのかもしれません。
しかし、これでは働く他の社員に対する配慮が著しく欠落しています。
介護施設の場合、次のようなことも同じです。
夏祭りやクリスマス会をするために仕事が終わってからみんなで遅くまで残業して準備する。
利用者様のために!!
その時間、残業代出ますか?
わたしが以前勤務していた会社では、準備は強制参加で残業手当も無しに毎日0時近くまで準備に励んでいました。
このような会社はコスト管理ができない会社の典型です。
人の善意や、権限による強制残業を前提とした計画で仕事を進めるのはまさに無能の証明。
勤務時間は仕事の時間ですが、社員は奴隷ではないので会社によって拘束されるものではありません。
仕事以外の時間は保証されるべきですし、休みももちろん十分に取得するべきです。
ほとんどの人は、会社のために人生を捧げているわけではありません。
会社で働くことは、生活するためのお金を得るために行うただの『手段』でしかありません。
定時退社の手段
介護も働き方改革の影響で、仕事をする時間に制限ができます。
そうなると、今まで定時が終わってから記録を作成していたという施設はどうするのでしょうか。
残業前提で回っていた仕事ができなくなってしまうのは大問題です。
しかし、これから必要なことは『業務を皆で定時内に終わらせる方法を考える』ことです。
働き方改革が求められる今の仕事において最も重要なことは、皆が『定時退社』を追求することです。
介護事業の場合は、その手段として、記録をスマホやタブレットで業務の流れの中で入力し、クラウドで一括管理できるような介護ソフトを使って業務の効率化を図るなどの方法があります。
それによって、結果として時間あたりの生産性を向上させることにつながるのです。
残業が生む隠れたコスト増
残業をすると残業手当が必要です。
実は、定時内で働くよりもコストは上がっています。
例として、時給1,000円の人が3時間残業したとの仮定で計算します。
8時間を超えた分は残業手当として1.25倍の時給になります。
その金額は1,250円。
1,250円*3時間=3,750円
しかし、その残業分の仕事を翌日の定時内にすることで、同じ時間残業をするよりも25%(残業代1.25倍支給)のコスト削減ができます。
1,000円*3時間=3,000円
残業で仕事をするほうが、1時間あたり750円もコストが高くなっているのです。
このように、定時勤務内で仕事を回すことが本来最もコストが安くなります。
施設長やマネージャーの本来の仕事は、それができる方法を考え仕組み化することです。
働く時間の価値観相違
定時退社する人と、残業する人では働く時間に対する価値観が著しく異なります。
もちろん、残業する理由は、消化しなければならない仕事があるからだと思います。
一方で、定時に帰る人も仕事の必要性はわかっています。
そのうえで、何のために自分や家族の時間を犠牲にしてまでやっているのか。
それでいいのか?
そんな疑問でいっぱいなのです。
大切なのは自分の体と人生。それよりも「会社が大切です」という答えはあり得るのでしょうか?
- 働く人の一般的な活動時間
- 振り回されて働く人の時間
- 働き詰めの人が失っているもの
働く人の一般的な活動時間について
一般的に、働く人が活動する時間は、午前7時から午後11時ぐらいでしょうか。
そうすると、1日に活動できる時間は16時間ほどになります。
このうち、9時から18時を定時とする仕事をした場合、拘束時間は9時間。
更に、通勤にかける時間が行き帰りそれぞれ1時間程度必要になれば、合計2時間。
定時に帰った場合、自分が自由にできる時間は5時間となります。
ここから家事等に費やす時間や、家族に費やす時間が引かれていきます。
残業をしたり、通勤が遠くなると更に時間が引かれていってしまいますね。
このように考えた場合、あなたに残された自分の時間はどれぐらいでしょうか。
振り回されて働く人の時間について
生活するために、人生から仕事を外すことは考えられません。
それを考慮して時間を考えるのであれば、会社の拘束時間をいかに抑えられるかが重要となります。
もしくは、通勤時間を短くするためにするか...
あなたは会社や仕事に振り回され続けて生きていきますか?
4月からの働き方改革では、このような環境に居る人にとって救いになる可能性もあります。(もちろん、会社がまともであることが前提ですが。。)
働き詰めの人が失っているもの
会社に住むぐらいの勢いで働く人は、キャリア上得るものが多いのかもしれません。
家族や自らの健康よりも仕事が好きですべてをかけている人は問題ないでしょう。
一方で、長時間の労働は人生において大切なものを失うリスクがあるという考えもあります。
過労で失う可能性があるものを大きく分類すると、次の通りです。
- 健康
- 自分の時間
- 交友関係
- 家族
人生において、自分が健康であることは誰にとっても、最も重要なことです。
また、同じように家族も大切なはずです。
家族や自分の健康を犠牲にして働く人が幸せかどうか。
必要だからやっている。
本当にそれだけで、会社に振り回される人生が有意義と言えるのでしょうか。
ゆとりと揶揄されること
ここで書いていることを実際に行ってみると必ず言われることがあります。
みんなが仕事してるのによく帰れるね。
有給休暇だの、残業しないだの、残業手当出せだの、自分の権利ばかり主張しているヤツは仕事を失ったことが無いから言えるんだ。給料を頂いているという意識が欠けてるんじゃないか。
ゆとり世代っていうのかなこういうの。
介護の仕事はそんなに給料は良くないし、条件もイマイチのところがたくさんあります。
だからこそ、このように会社に振り回される働き方になってしまっている人、それに不満を感じている人は新たな道を探すべきなのです。
小さくても、給料安くても、働く環境を最大限整えている会社もありますよ。
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